2011-01-01から1年間の記事一覧

メールと電話(スペース・マガジン10月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。このところ比較的重い話が続いたので、少し軽い話に戻そうと思って書いた。 [愚想管見]メールと電話 西中眞二郎 このところ電子メールに頼ることが多い。この原稿もメ…

題詠100首選歌集(その50)

選歌集・その50 011:ゲーム(203〜227) (さくら♪)手作りのゲームで遊ぶ子らの声明るく強く響く避難所 (月夜野兎) もういいね疲れるだけの恋だから 自分で選ぶゲームオーバー 027:水(152〜176) (月原真幸)おたがいをかけがえのないも…

題詠100首選歌集(その49)

今日は冷たい秋の雨が降った。日暮も早い。何の不思議もないことだが、間違いなく季節は変わって行く。 選歌集・その49 007:耕(231〜256) (とん)びうどどど 夏の天のかなたより雲を耕す風走りをり (長月ミカ) トラクター乗って耕すたれかれも皆…

題詠100首選歌集(その48)

選歌集・その48 017:失(179〜203) (くろかわさらさ) 少年のしろいからだにゆびさきでふれれば雨に失うなにか (田中彼方)「楽に生きる記憶喪失法講座」に、通ったけれども、忘れてしまった。 (今泉洋子)得しものと失ひしものこもごもとありて生…

題詠100首選歌集(その47)

選歌集・その47 026:震(152〜176) (桑原憂太郎)震災の年に生まれし生徒らの巣立つた午後に地震が襲ふ (笹木真優子) 真夜中に耳を澄ませば窓が鳴る(震えているのはあたしじゃないわ) (星川郁乃) 「震」といえばそれよりほかはもう遠く遠く…

題詠100首選歌集(その46)

最終題がやっと50首に達した。去年が9月18日だから、それより少し早い。もっとも、去年の今日9月13日は、「選歌集その49」なので、それよりはちょっぴり遅れている。まあ大雑把に言えば、去年と似たようなペースということなのだろう。 ここ数日、…

陰謀史観(スペース・マガジン9月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。このところ福島原発事故関係の感想を同誌に何度か書いている。福島事故以来、私の考え方にもブレが生まれているのだが、「嫌原発」という傾向が強い昨今の論調とは一味…

題詠100首選歌集(その45)

ここ数日の紀伊半島の一部の雨量は、東京の1年分の雨量に見合うという。とんだ置き土産とともに夏が去って秋が来た。もっとも、まだまだ暑い日も続くようだが・・・。 選歌集・その45010:駆(205〜229) (月原真幸)駆除したい ネズミ ゴキブリ ス…

題詠100首選歌集(その44)

選歌集・その44 004:まさか(233〜257) (とん) 笑っても どうかまさかと言わないで あなたのことが大好きでした (滝音) 「まさか」って軽い言葉で消えないか友の訃報にぬれじゃくる夜 025:ミステリー(152〜176) (さくら♪)ミステリー…

題詠100首選歌集(その43)

いつの間にか8月も終わりに近づいた。暑い暑いと言いながら、朝晩は秋の気配を感じることもある。それにしても、昨日の雨にはかなり驚いた。無責任に言えば、多少爽快な感じがしたのも事実だが・・・。<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐…

題詠100首選歌集(その42)

猛暑が続いた後、急に10度近く涼しくなったと思ったら、今日あたりからまた暑さがぶり返して来たようだ。あまり暑いのも敵わないが、このまま涼しくなるのも寂しい話で、まあこれから一進一退で秋に入って行くのだろう。 選歌集・その42 021:洗(151…

題詠100首選歌集(その41)

選歌集・その41013:故(178〜202) (風とくらげ)故郷を捨てるんじゃなく捨てざるをえない流れてちぎれる雲よ (飫肥正)誤字脱字やかましく云ふ上役の故事のあやまりたださずに聞く (村上 喬) 故郷に山河はありやと尋ねしも張り子の牛は首ふるば…

題詠100首選歌集(その40)

8月も半ばを過ぎた。例年8月には、戦争記憶をはじめとする特別の感慨があるのだが、今年はなぜかその感慨が薄い。年齢とともに感受性が鈍感になったのか、それとも大震災という、より身近な惨事があったため、感覚のポイントがこれまでとずれてしまったの…